What’s “idobata”?

今、私が暮らしている小坪の町の家にはそれぞれ屋号があります。屋号とは住所のようなもので、今では数字で「小坪〇丁目-〇番地-〇号」となるものが、以前は「小坪 中里町 井戸端」と言えば我が家を差したそうです。もう少し正確に言うと、うちは4年前に引っ越してきたので「小坪 中里町 井戸端さんのあとがま」と言うらしいのですが。
 小坪の屋号は“オタマ”、“ショウエム”、モザエム“などの名前を元にしたものが多いのですがうちは大きな井戸があるので”“井戸端”になったようです。

idobataのガッチャンポンプ

その井戸は、現在は、コンクリートの蓋が被せてありパイプを通して“ガッチャンポンプ”で汲みあげて植物の水やりなどに使っています。小さな点検口から中を除くと直径は2m弱、ロープの先におもりを結んで深さを測ると10m以上あります。他にも小坪には井戸が残っている家が多いのですが、我が家の井戸ほど大きな井戸はほとんどありません。おそらくこの大井戸はこの家のものではなく、このまちで暮らすみんなのものだったのではないでしょうか。それなので屋号は大井戸ではなく、井戸端という一歩下がったものになったと思われるのです。
 お店の名前を付けるときも前へ前へ出るものではなくて、後ろに一歩下がったような名前になればいいなと思っていました。良く考えてみると名前を自分でつけられる人はいないんですよね。もともと決まった名前があったり、ご先祖様から文字をもらったりして、どちらかと言えば流れの中できまってゆくものなんじゃないかな。あくまで、私はその方が良いという話なのですが。
 長くなりましたがそういう訳で、また多くの人から呼んでもらいたいのでローマ字表記の「idobata」になりました。


I live in Kotsubo, one of the neighboring towns of Kamakura. Here, interestingly enough, houses have their own unique names like humans. I've heard that they were used as an address a long time ago, although they all have been replaced by boring, "ticky-tacky" numbers. My house-name is "idobata", which means well-side. There is, as a matter of fact, a large well by the side of my house. In Japan, well-side was a special place where everyone gathered and conversed while washing clothes or making meals. That's why I named my cafe "idobata". I hope that “idobata” will be a place where everyone comes and has amusing coffee talks.

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はじめに。